独身親族が亡くなった時の諸手続きの話し(中編)
2018年2月に独身の叔父が亡くなった時の話しの2回目です。
前回のお話はこちらです。
では、2回目スタートです。
4,納骨の話し
私の住む関西では、火葬の後全ての骨を拾うことはなく、大切だと思われている一部のみ持ち帰ります。なので、さほど重たくはないのですが、関東では全身の骨を持ち帰ります。
祖母が亡くなった時、足の悪い叔父が遺骨を持ってもらうために私を呼んだ、と言ったのはよく覚えていますが、とにかく凄い重さでした。全身分の骨を入れる骨壷が既に大きくて重たいのです。また、祖母は骨が丈夫だったので92歳とは思えないほど骨が残りました。遺骨を運んだ後、しばらく鞭打ち症のような痛みに苦しんだのを記憶しています。
さて、叔父の遺骨ですが今回は夫が叔父の家まで運んでくれたので本当に助かりました。でも、夫が手伝ってくれたのはここまで。仕事で関西に帰って行きました。
そして、遺骨が2人分私に残されたのです。大家さんとは今月中に全てを引き払う約束ですし、何度も上京するというのも大変な話しです。
正直、大変な仕事を残してくれたなぁ~と思いましたが、途方に暮れていても仕方ない。孫であり姪である私の役目を果たさねば。とにかく、ここに居る間に何とかせねば!です。
お墓はないので納骨先から探さなければなりません。一瞬一度自宅に二人分の遺骨を運ぶというのは?と思いましたが、なにせ二人分なので新幹線に持ち込める重さとサイズではない。では送るというのは?と、宅配便(遺骨を宅配便ていうのもなぁとは思いましたが)を調べてみると、なんとゆうパックなら可能でした。ちょっとびっくりしました。
ヤマトのサイトでは、はっきり「遺骨は受けられません」と書かれていました。やっぱりそうですよね。
でも、そもそも東京生まれの東京育ちの人たちを関西に連れて行くというのはどうかと。私が関西弁を話すのも嫌がるような人たちですよ。二人と話す時には、私は標準語を話すように無言の圧力をかけられていました(苦笑)
しかも、母方の人たちなので、うちのお墓に入るという選択肢もないので、遺骨を持って帰ったところで納骨先を探す事に変わりは無いのです。更に、重量的に私が二人分を郵便局まで持っていけるとは思えないし、3連休だし、引き取りに来てもらうにしても立ち会えないし。更に更に、長い目で見ると私がこの世からいなくなれば墓守をする人も居ないので、これは永代供養しか選択肢はない。しかも東京でさて、どうするか。
そこで思い出したのが、NHKの放送で見たNPO団体でした。放送を見た時にはまさか連絡することになるとは思っていませんでしたが、有難い団体だなと感心して見ていました。そこで早速スマホで検索すると出て来ました。
「NPO法人 終の棲み家なき遺骨を救う会」です。(リンク許可は取っていないので、ご興味を持たれた方は検索してください)早速こちらに電話をしてみる事に。
対応してくれたスタッフの方はとても親切で、私が関西から上京しており、時間的な制約がある事を理解してくれました。流石に今日明日に受け付けて貰うのは不可能でした。
話し合った結果、遺骨をスタッフの方が迎えに来てくれて、納骨して貰えることになりました。
遺骨は新宿、南春寺の供養塔に納骨されます。NHKニュースの放送で見たことと、スタッフの方の対応から安心してお願いできました。本当に親切な方々でした。
後に大家さんと話してわかったのですが、大家さんのご家族も同じお寺の供養塔に納骨されているそうです。
納骨後の書類にしても、ちゃんとしている団体だなと感じました。
ただ、迎えに来てもらう時には部屋の鍵を開けなければなりません。
私はその時には帰宅している予定でしたので、さてどうしたものか。考えた末、遺品整理をお願いしている日に来てもらう事になりました。
5,遺品整理について
最近よく問題になり取り上げられている「遺品整理」。近所に住んでいるのなら、通って整理する事もできますが、新幹線の距離なのでここは迷わず業者さんに依頼です。
夫からは、絶対に大家さんに知り合いの業者さんを紹介して貰えるよ、と言われたのですが、3連休が災いして、大家さんと連絡が最初の2日間は取れなかったのです。ただ待つだけでは時間が勿体無いので仕方なく、こちらもNPO法人を探してみる事に。すると、「関東遺品整理協会」というNPO法人がヒットしました。
まずは見積りを依頼しましたが、依頼したその夜、大家さんから私の携帯に連絡が入り、「できれば知り合いの業者さんにして貰えますか」という展開に。
私が居なくなった後の作業になりますので、これは鍵の件を考えても大家さんの関係の業者さんに頼むのが最良の選択です。大家さんと話した時には、見積りを既に他の業者に依頼していると話して居たので、大家さんの紹介業者の方は相見積もりを取っていると思って見積りに来られました。
さて、見積りの金額です。キッチン、リビング、寝室、バストイレの部屋に結構な物があります。そして問題になったのは例の小銭の山。
「これ困ったなぁ~」
「困りますよね。どうしたらいいか悩んでます」
「見積りは、とりあえず25万円と考えてください。あと、小銭はそこから相殺にしましょうか。鍵は、大家さんとやりとりしますから」
この「鍵」は本当にポイントが高く、大家さんの知り合いの方に頼んで本当に良かったです。なぜなら、「迎骨」の時に結局作業はなかったのですが、この業者さんが家が近いこともあり、わざわざ鍵を開けに来てくれたのです。大家さんには頼めませんでしたので、本当に助かりました。
「それから、ガスはまず止めてください。怖いので。でも、電気と水道は作業が完了するまで止めないでください。夜の作業ができない、トイレが使えないは困るので。よろしくお願いします」
と依頼がありました。
さて、後日。作業が終わり、最終的な費用は結局小銭と相殺して23万円となりました。
それが高いのか、安いのかは良くわかりませんが、鍵のやりとりを大家さんと直接してくれたのでそれが本当にありがたかったです。遠方の場合、ここが一番のポイントなると思います。
後日、友人と話した時に、彼女の住むマンションで高級家具を沢山持って居た人が亡くなり、お子さんが遺品整理を業者に依頼したところ200万円を請求されたという話を聞きました。びっくりです。その人曰く、
「家具も業者が持って行ったそうなの。おそらく転売もして、法外な請求もして、だったのよね。それって。高級家具を見て資産家だと思ったのかしら」
と。酷すぎる話です。一軒家じゃなくて、マンションですよ。
余談ですが、先日別の友達と話していたら、近所の一軒家が更地にするのに400万円かかったという話を聞きました。それも高額と思いましたが、それにしてもマンションの遺品整理の話は建物の廃材撤去廃棄もなく、部屋数も少なくて、転売価値のある物も含んでその半額ですから、本当酷いですよね。悪徳業者と言わざるを得ないと思います。
と言うわけでまとめです。
遺品整理を依頼する時には、相見積もりを取る。賃貸であれば、大家さんに相談してみる、というのが良いと思います。
こういうことは、一生のうちに一度あるかないかの事なので、相場というのが分かりにくい分野ですよね。それだけに、おかしな業者に遭遇しないように気をつけたいものです。
→この続きは雑記帳5へ続く